ドイツの代理店との打ち合わせに来た。
ところがトランクは出て来ず、調べると乗り換えの北京に停まったままだと解った。
海外では良くあること。荷物が見つかっただけラッキーと思うしかない。
今回はブレーメン、ハンブルグの販売店、そしてフランスからのディーラーとも会う。
フランクフルトからハンブルグまでの道すがら見える川は大小を問わず、土手を自然の土の景観にとどめているところが多く、コンクリートの護岸を見慣れている目には、人工的な直線ではない川岸の景観が極めて美しく感じる。
丹念に手入れをされている畑の景観からもドイツの(そしてEUの)農業が健全であるように感じられるが、アメリカの圧力にさらされている点は同じだという。
ハンブルグといえば港町として知られているが、その港湾機能は海岸ではなく、90Kmほど内陸のエルベ川沿いに位置している。海岸の町は港湾機能を充実させてユーザーの獲得をもくろんだが、陸路インフラが伴わず上手く行ってないそうだ。理由は日本同様民主国家であるため、必要な土地収容であっても強行することが出来ないからだ。
その近くのJORKという地方はオランダと同じように、海抜より低い湿地帯の水をくみ出すことによって開墾されてきた歴史があり、現在でもポンプで水をくみ出し続けなければ土地を維持できない仕組みになっていると教えられた。

りんごをはじめとする果樹園が延々と続く美しい土地であり、建物はほとんどが統一された意匠の煉瓦造ながら、ファサードや煉瓦の積み方のデザインに個性の主張が見られる。特に茅葺きの屋根が美しいが、施工もメンテナンスも火災保険もすべてが高くつくと言うのに、随所にその茅葺きが見受けられるのは、彼らがいかにその土地の伝統と文化を愛しているかの現れだろう。手入れの行き届いた佇まいにそれが感じられる。
同じ様な力は日本の古民家にもある。
それを教えてくれたのは世界遺産となった石見銀山にある 群言堂を営む、松場登美さんの阿部家であった。
エコであること自然であることに敏感なドイツには自然素材に特化した建材店が各地にある。今回は、そんな中でも石材中心の店舗にLIMIXの展示スペースを作る打ち合わせも行った。
その名もジャパンコーナーと名づけて、店舗をオープンしたときからかなりのスペースを空けて待ってくれていた。日本のイメージを伝えるためのディスプレイデザインの提案が宿題となったが、数ヶ月のうちにLIMIXの常設展示スペースがドイツにも誕生することになるのが楽しみである。
