7月にキーウに行って、次は11月。今度は西の街に行っています。
なぜ二度目が別の街だったのか。そこが気になったので、そこから聞きました。
2回目は、キーウじゃないんですね。
はい。リヴィウという、西のほうの街です。ポーランドの国境に近い。
なんでキーウじゃなかったんですか。
7月に行ったのが首都のキーウで、滞在中にもひどい爆撃があったんです。首都だから狙われる。当たり前なんですけど。
それでも、そこに工場を置くのかと。ウクライナ、イコール、キーウじゃないので。
他の街も見ておこう、と。
本当にここでやるべきなのか。他に選択肢はないのか。それを見に行きました。
それは、誰かに言われたんですか。
いえ。それは、自分の判断です。
誰にも言われてないのに行ったんですか。
他も見たほうがいい、と勧められたわけでもないし、行かなきゃいけない決まりがあったわけでもない。ただ、見ないと決められないので。
リヴィウは、どんな街でしたか。
驚いたのが、市役所の中に日本の窓口があるんですよ。日本語ができるスタッフもいて。ウクライナの方なんですけど。
日本企業に来てほしい、ということですか。
そういう姿勢がはっきりしてました。実際に、車の配線を作る日本のメーカーが入ってます。
市長さんにも会われたとか。
会いました。20年近く市長を務められている方で、日本への訪問経験もあり、すごく熱量のある方でした。市の庁舎で、うちの技術の話をさせてもらいました。毎朝9時に国全体で黙祷の時間があるんですが、その日、その時間帯は市長と一緒に庁舎にいた時間帯で、バルコニーに出て街に向かって一緒に黙祷をしたのはとても印象的で心に残っています。
じゃあ、感触は良かったんですね。
行政とはすごく深くつながれました。ただ、肝心のところで合わなかったんです。
というと。
がれきが、あまりないんですよ。
あ、そうか。
攻撃が激しいのは東のほうなので、がれきもそっちに集まる。原料が近くにない、ということです。
処理場は見に行ったんですか。
行きました。がれきが少ないぶん、支援もあまり入ってなくて。コンクリートのかけらと、タイヤの破片と、生ごみみたいなものが混ざったままになってました。発酵して、ひどいにおいで。
分別されてない、ということですか。
そうです。あと、ウクライナって埋め立てがすごく安いんですよ。国土が広いのもあって、1立米で3ユーロぐらいだと聞きました。ほとんどお金がかからない。
だから分ける理由がない。
そういうことです。安く捨てられる場所では、リサイクルは育たない。これはウクライナに限った話じゃないと思いますけど。
それで、リヴィウは候補から外れた。
外れました。
でも、行かなかったら分からなかったですよね。
分からなかったですね。地図とデータだけ見てたら、攻撃の少ない西のほうが良さそうに見えたはずです。
この街では、工場の話とはまったく別のものも見ています。
長くならないので、次に分けて書きます。